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材質の特徴
 
漆の特質

 漆というものは、どこの国の漆も同じというものではありません。気温、湿度の高い国の漆を日本で使用しても乾きが悪く、また丈夫さと言う点でも満足できません。
  やはり、気候風土に合った日本産の漆が一番適しています。しかし、現在日本国内で使用されている漆の75%が中国、24%がカンボジア、タイ、台湾などからの輸入に頼っており、僅かに1%しか日本国内では算出されておりません。
  仕上げに使用される漆は一般的に呂色漆です。この漆は生漆に鉄粉を混ぜ、酸化させて黒く変色させた後、漉して鉄粉を取り除い漆です。非常に丈夫で、乾きが早く、磨いて仕上げるとまっ黒に艶が出て、漆器などの仕上げにも使用されています。
  また、漆は完全に乾いていればかぶれることはまずありませんが、生漆あるいは乾いていない場合、漆の木と知らずに枝などに触れた場合には漆の付着した皮膚がかぶれることがあります。皮膚が赤くはれあがり、かゆみを伴います。このような場合には直ちに専門医の診断を受けて下さい。

革の特質

鹿革 鹿皮は柔軟性に富み、通気性、吸湿性にすぐれています。
用途:主に小手に使われます。
茶鹿革(燻革) 藁を燃やし、その煙で鹿皮を染色します(燻製状態)。煙の成分の中には油分やタンニン他、有効成分が含まれており、それらを吸収し、通気性、吸湿性に加えて耐水性、安定性が生じます。
用途:主に小手の手の内、突き垂裏等に使われます。
紺鹿革 鹿皮を藍又はインディゴピュアで染色します。染色することにより一層丈夫になります。
用途:主に面帽子、垂帽子、突き垂、小手等に使われます。
牛クローム革 クロム塩により鞣された革。牛革の主流。
用途:主に普及品、中級品防具等に使用されています。
白鞣革 牛皮を川漬、脱毛、塩入れ、菜種油による油入(化学薬品は一切使用しない)などの工程を経て、天日乾燥と足もみを繰返して仕上げる。張力、摩耗に強く、耐久性に富んでいます。
用途: 戦前は、普及品など幅広く使われていましたが、現在は、牛クローム革にとって変わられ、主に高級品剣道具等に使用されています。
鞣黒漆塗 鞣革に漆を塗る事により撥水性が生じ、より一層丈夫になります。
用途:胴の胴胸部分等に使われます。
クロザン革(黒靼) 白鞣革の白靼に対し黒靼と云う。白鞣を青松葉とわらで燻煙し鉄しょう(おはぐろ)に漬け染色し、しぼを付け、その上に上級漆を重ね塗りして仕上げます。
用途:胴の胴胸部分等に使われます。他に鎧などに使用。
生革 原皮を脱毛し、石灰漬けにした後、薬剤で処理した皮で、鞣しを全く行わないか、または極めて軽度に鞣し木枠に貼り付けて乾燥させます。
用途:面ぶち革、胴台の張皮等に使われます。他に鎧・太鼓・鼓などに使用。

・以上の様な革の特性を生かし、製品のそれぞれの部分に適した材質を使用しています。


毛氈の特質

 毛氈は、羊毛・ヤギ毛・ラクダ毛などの獣毛の繊維に湿気、温度、圧搾、摩擦を加えて平板状にからみ合わせて作り、一種の織り上げた様な物として、古くから中国より渡来した高級な敷物です。多くは深紅色に染められた緋毛氈と云われていますが、中には藍染めにした濃紺色のものや、花模様などを捺染した花毛氈もあります。
  毛氈の使い古したものは、真綿と共に組合わせて、昔より手刺の剣道具布団の芯材として使用されて来ました。毛氈入り剣道具は軽く、使用すればするほど体に馴染み、衝撃吸収性・肌ざわり・耐久性等は他に類するものがない使用性を誇っています。しかし、残念なことに現在では、古い毛氈は極めて手に入りにくくなっています。

藍の特性

 藍染めとは藍液でかせ糸・木綿布地・紙などを、濃紺・紺・藍・納戸・はなだ・かめのぞきなどの色に染めることを言います。又、藍は紅花・紫草と共に古くから用いられた植物染料です。『延喜式』によれば、当時すでに諸国で栽培されていました。しかし、庶民生活に藍が重要度を占めるに至ったのは、木綿の普及と関連し江戸時代以降の事です。
 藍染めは布地を強くするので、タンニン黒染(どぶ染)のような布地を弱くするものには、古くから下染めに使用され、丈夫さを要求するものでは、絣・作務衣・剣道衣・野袴・剣道袴(乗馬袴)など使用されてきました。
 色は摩擦以外の洗濯や日光に堅牢で、汚れが目立たず、南方では蚊・蝿などの害虫避けにもなると言われています。
 藍の種類には、インド藍・山藍・大青・琉球藍などがあり、その色素は化学名をインジゴチン(indigotin 青藍)と称し、純粋なものは美しい黒青色の針状結晶で、粉末は濃青色です。青藍は不溶解性でハイドロサルファイトなどにより還元されてインジゴホワイトになります。これはアルカリ性の水には溶解して黄色となります。この溶液に浸して吸収させ、引き上げると空気に触れて酸化してもとの青藍になり、これを何度も繰り返し濃度を濃くしていき濃紺色に染まります。



 
主な特徴
乾燥法
使用上の比較
取扱い方
日本産真竹 海綿質が厚く、表皮側より内部に向け維管束が、適当に配分され竹刀に最適。 温帯のため自然乾燥が可能。長く緑色が保つ。 中硬質・弾力性に富み、剣先部分と柄部分の肉厚の差が、大きく調子が良い。 油等を塗布する。ささくれに対しては、胴より剣先に向け切削・研磨。
台湾産桂竹 亜熱帯性の為、海綿質がほとんど無く、全体が維管束の集合体。 亜熱帯性のため短期乾燥を要し、油抜処理を行う。 硬質・弾力性に富み、割れにくい。 上記に準ずる。
バイオ竹刀 素材は真竹・桂竹を使用する為、上記の竹に準ずる。 調質乾燥法。 硬質と軟質の、ほぼ中間に仕上がる。 素材は真竹・桂竹を使用する為、上記の竹に準ずる。
カーボン竹刀
化学製品
素材は化学製品を使用。 化学製品仕立。 比較的硬質だが、割れがきわめて少ない。 ささくれはないが、すり減って黒いカーボンが、見えたら使用禁止。
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